大人の趣味時間
ELFFAN WEB vol.02
重要文化財を見に行こう!

価値が高いと認定された証、重要文化財
「重要文化財」という言葉を耳にしたことがある人は多いと思います。しかし、どのような役割があり、どのように選ばれているかまで把握している人は、なかなかいないのではないでしょうか。
重要文化財とは、「建造物」「工芸品」「彫刻」「書跡」「典籍」「古文書」「考古資料」「歴史資料」などのうち、日本にとって歴史上、芸術上、学術上価値が高いもののことで、国によって指定されています。日本として貴重な建造物や美術品は、国を挙げてしっかり保護していこうということです。
そして重要文化財のうち、世界的にみて特に価値の高いものは「国宝」として指定されています。
ちなみに「演劇」や「音楽」「工芸技術」などのように、形が無くかつ重要なものは「重要無形文化財」に指定され、「わざ」の継承が図られています。

重要文化財として指定されるには、まず地元の大学教授や建築士などの協力を得ながら報告書を作成。それを基に文化庁の担当者が実際に現地を調査したりします。最終的には文部科学大臣が「文化審議会」へ見解を求め、許可が得られれば重要文化財としての認定が決まります。
国宝は重要文化財に指定されてから10年以上経過しなければその候補になりませんが、世紀の大(新)発見であれば、その期間を待たなくても国宝になる可能性があります。
全国に点在する重要文化財の見どころをエリアごとに紹介
重要文化財は、どれだけあるのでしょうか。その数は合計13,429件となっていて、国宝はそのうち1,136件となっています。
カテゴリー別にみてみると、最も多いのは「彫刻」(2,732)で、続いて「建造物」(2,557)、「工芸品」(2,475)となっています。
都道府県別では東京都に最も多くの重要文化財があり、次いで京都府、奈良県となっています。国宝の数が多い順番も、これと同じです。
※いずれの数字も2023年9月1日現在
残念ながら国宝がない県もありますが、重要文化財は47都道府県すべてに存在しており、気軽に見に行くことが可能です。実際にどのようなものがあるのか、ここでは無料で楽しむことができる「建造物」に絞ってご紹介します。
北海道・東北エリア
金森赤レンガ倉庫(北海道)
函館港にある金森赤レンガ倉庫は、1869年に開業した「金森洋物店」が起源で、倉庫に書かれている「森」の字が当時をしのばせます。その後、1887年に「金森赤煉瓦倉庫」として貿易用の営業倉庫となり、時を経て2009年に重要文化財として指定されました。現在ではショッピングモールとして人気の観光スポットになっています。

関東エリア
東京駅丸の内駅舎(東京)
1914年に完成した東京駅丸の内駅舎は辰野金吾の設計によるルネッサンス様式で、6年あまりの歳月を経て出来上がりました。レンガがメインの建造物としては国内最大規模を誇り、南北の総延長は335mとなっています。重要文化財に指定されたのは2003年で、その後の復原工事によって建造当時の姿がよみがえりました。

北陸・甲信越エリア
片倉館(長野)
片倉館は製糸業で富を得た片倉家が、地域住民の福利厚生のために1928年に建てた温浴・社交・娯楽施設です。洋風の建物内には深さ1.1mもある大浴場があり、「千人風呂」として親しまれています。実業家による初期の福利厚生施設として歴史的価値が高い片倉館は、2011年に重要文化財に指定されました。

東海エリア
俳聖殿(三重)
「俳聖」と称される松尾芭蕉の生誕300年を記念して、1942年に伊賀市の上野城跡に建造された聖堂は2010年に重要文化財に指定されました。丸い屋根は「旅笠」、1階の八角形は「袈裟」と、その形は芭蕉の旅姿を表現しています。殿内には伊賀焼による等身大の芭蕉座像が安置されていて、命日の10月12日のみ公開されます。

関西エリア
東大寺金堂(奈良)
東大寺の本尊である盧舎那仏坐像が安置されていることから、「大仏殿」の愛称で親しまれている東大寺金堂は江戸時代に再建されたもので、世界最大級の木造建築物といわれています。奈良時代創建当時の「金銅八角燈籠」を正面に控える大仏殿は1952年に国宝に指定されていて、〝最も大きな国宝〟として知られています。

中四国エリア
三徳山三佛寺(鳥取)
標高約900mの三徳山(みとくさん)に境内を持つ、三佛寺(さんぶつじ)。その奥院である投入堂は切り立った絶壁のくぼみに建てられています。修験道の開祖である役小角(えんのおづの)が丸ごと投げ入れたと伝わるお堂の屋根は軽快に反っていて、柱とともに美しさを湛えています。1952年に国宝に指定されました。

九州・沖縄エリア
眼鏡橋(長崎)
東京の日本橋、山口の錦帯橋とともに、日本三名橋の1つに数えられる眼鏡橋。川面に映る影が多円を描き「メガネ」に見えることからこの名前がついたと言われます。日本初のアーチ型石橋である眼鏡橋は、1634年に中国人の僧侶 如定(にょじょう)によってかけられたと伝えられていて、1960年に重要文化財として指定されました。

全国各地に重要文化財は、まだまだたくさんあります。今度の週末あたり、ぜひお近くの重要文化財を訪ねてみてはいかがでしょうか。


























